Aiko MoriLIFE PORTRAIT

LIFE · 34

Aiko Mori

大阪 → 金沢

履歴書には「転職」としか書けない。でも、愛子が残したかったのは、なぜ人生の向きが変わったのかでした。

架空の人物・エピソードです。実在のお客様の記録ではありません。

NOW

いまの愛子

34歳。金沢の小さな陶芸工房で、器をつくりながら展示の手伝いもしています。

「陶芸家になった」という肩書きより、何を手放して、誰に助けられて、何を覚えたのかを残すことにしました。

最初に焼き上がった、少し歪んだカップ。処分せず、棚の奥に残してあります。

THE TURN

「転職」では、何が変わったかは残らない。

大阪では企画の仕事をしていました。仕事が嫌いだったわけではありません。ただ、考えたものが画面の中だけで終わる感覚が、少しずつ苦しくなっていました。

金沢で立ち寄った工房で、Kenji Satoがろくろの上の手を直してくれました。「力を入れない」と言われた瞬間のほうが、退職届を出した日より愛子には大きな転機でした。

PEOPLE / PLACE / OBJECT

小さな証拠が、転機を説明する。

PERSON

Kenji Sato

先生というより、最初に「手で考える」ことを教えてくれた人。今も月に一度、作品を見てもらいます。

PLACE

金沢の路地の工房

観光通りから一本入った場所。窓際に乾燥中の器が並び、雨の日は土の匂いが強くなります。

OBJECT

最初の歪んだカップ

上手ではないからこそ残したもの。今の器と並べると、変化を説明できる一番小さな証拠です。

PROVENANCE

わからないことも、そのまま残す。

工房で最初に撮った写真の日付は、2024年3月末か4月初め。メッセージ履歴と桜の開花時期からそこまでは絞れましたが、正確な日は断定していません。

似た写真は何枚もあります。Editionには一枚だけを使い、残りはArchive側の参考資料として扱います。

転機の背景にある私的な健康事情は、本人の希望でこの公開サンプルには含めない設定です。「残す」と「見せる」は別の決定として扱います。

TIMELINE

肩書きではなく、章として。

  1. 大阪で企画職へ

    人の話を聞き、企画にまとめる仕事を始める。

  2. 金沢で土に触れる

    旅行中に工房へ。帰宅後もあの感触が残り、週末クラスへ通い始める。

  3. 仕事を離れ、移る

    大阪を離れて金沢へ。最初の歪んだカップを焼く。

  4. つくることを続ける

    完成より、変化の途中にいることを残しておきたいと思っている。

FOR LATER

未来の自分へ

また何かを変えたくなったとき、最初のカップを見てほしい。うまくできなかったものを捨てなかったから、ここまでの距離が見える。

このメッセージはEditionに残し、公開範囲は本人が決めます。