Kenji Sato
先生というより、最初に「手で考える」ことを教えてくれた人。今も月に一度、作品を見てもらいます。
架空の人物・エピソードです。実在のお客様の記録ではありません。
NOW
34歳。金沢の小さな陶芸工房で、器をつくりながら展示の手伝いもしています。
「陶芸家になった」という肩書きより、何を手放して、誰に助けられて、何を覚えたのかを残すことにしました。
THE TURN
大阪では企画の仕事をしていました。仕事が嫌いだったわけではありません。ただ、考えたものが画面の中だけで終わる感覚が、少しずつ苦しくなっていました。
金沢で立ち寄った工房で、Kenji Satoがろくろの上の手を直してくれました。「力を入れない」と言われた瞬間のほうが、退職届を出した日より愛子には大きな転機でした。
PEOPLE / PLACE / OBJECT
先生というより、最初に「手で考える」ことを教えてくれた人。今も月に一度、作品を見てもらいます。
観光通りから一本入った場所。窓際に乾燥中の器が並び、雨の日は土の匂いが強くなります。
上手ではないからこそ残したもの。今の器と並べると、変化を説明できる一番小さな証拠です。
PROVENANCE
工房で最初に撮った写真の日付は、2024年3月末か4月初め。メッセージ履歴と桜の開花時期からそこまでは絞れましたが、正確な日は断定していません。
似た写真は何枚もあります。Editionには一枚だけを使い、残りはArchive側の参考資料として扱います。
転機の背景にある私的な健康事情は、本人の希望でこの公開サンプルには含めない設定です。「残す」と「見せる」は別の決定として扱います。
TIMELINE
人の話を聞き、企画にまとめる仕事を始める。
旅行中に工房へ。帰宅後もあの感触が残り、週末クラスへ通い始める。
大阪を離れて金沢へ。最初の歪んだカップを焼く。
完成より、変化の途中にいることを残しておきたいと思っている。